世界最大のクラッシャーとは、英国ニューポートのAssociated British Ports (ABP)においてSimsグループが稼動させ、1時間毎に寿命の尽きた450台の廃車を処理する能力を持つLYNXSユニットです。

LYNXS クラッシャー内部にはWEG社の40トン、6,865kW、14極(420rpm)の高圧電動機が設置されています。Sims Metalと共同で開発された巻き線型ローターを持つこの11kVインダクション・モーターは、寿命の尽きた自動車および他の廃棄金属材を粉砕するハン マーを駆動します。国の電力網に直結されているWEG電動機は水で冷却され、モーターの最端伝動ベアリングにおいて116トンにも達する膨大な推力負荷に 耐えるために特別に補強された構造が使用されております。

新LYNXSクラッシャーはオーストラリア資本の国際金属リサイクル会社である ABPのニューポート・ターミナルにおいてSimsグループが行う1100万ユーロ投資の一環です。1時間毎に350トンの処理能力を持つ同設備は全ての 金属に対して最良の効率を提供する最先端のプロジェクトです。LYNXSクラッシャーは、Simsグループが現在行っているリサイクル用プラスチック、ガ ラス等、非金属材料の再生技術への投資にも貢献しております。

メガクラッシャー計画の要件にマッチした電動機の検討を担当した英国における Sims Metalグループのエンジニアリング部長Stuart Wilcox氏は、「粉砕プロセスでは、モーターに対して2.5p.u.までの継続的可変電流と膨大なトルクが要求されるため、従来、大型クラッシャーの 限度は電動機に依存しておりました。しかし、我々のプロジェクトにおいては、WEG電動機が優れた熱効率で必要値を上回るトルクを発生させる能力を持って いるため、この状況を一変させました。これは、ブラジルにおけるWEG社のデザイン・製造プラントの訪問後に生まれたWEGのコンセプトにあります。私共 はこの分野における極度な要求を認識しており、また、彼らは自社が製造する電動機の能力を認識しておりました。1枚の白紙で始まり、双方の能力を結集した 結果として、弊社のプロジェクトにおける全ての仕様をクリアし、これらを上回る電動機が生まれました。」と説明します。

ニューポート Simsにおけるクラッシャーの成功によって、WEG社はオーストラリアにおけるもう1台のLYNXSクラッシャーを駆動するために更に同型高電圧電動機 1基を受注する結果となりました。「これは、ニューポートのクラッシャーが稼動を開始した後に受注したクラッシャー用高圧電動機10基の一部に過ぎませ ん。」と、英国WEGの高圧製品部長Richard Emery氏は語ります。「ニューポートSimsでの使用は、最も過酷な使用条件下における弊社の高圧電動機に対する効率と信頼性に関する更なる実証で す。」と付け加えます。