White Martins社は地球の大気中から取出したガスを自動車産業、石油化学、製鉄所等を含む数多くの産業における生産プロセスで使用するために供給しています。大気を構成するガスの分離原理は家庭用冷蔵庫のように簡単です(ボックス参照)。しかし、産業規模で行う加圧及び減圧プロセスは極めて困難で、高い技術と信頼性を持つ部品と機器を要します。同企業はこの要件に基づき、当社の大手顧客Companhia Siderúrgica Nacional (CSN)に対応するためにWEG社の電動機を設置しました。

Volta Redonda市(RJ州)に所在する製鉄所に付属して設置されたWhite MartinsのT2100ユニットにおけるブースター式コンプレッサーの駆動は、従来、輸入されたかご型インダクションモーターが受持っていました。WEG社は、同モーターの交換用として、CSNプラントの圧縮システムに既存する電気・機械設備に適合した交換を可能にするために製造された14トン級MGP12806モデルの電動機を供給。この電動機はWEG社が今まで製造した製品の中で最も出力の高い2極モーターです。「White Martinsにとっても、WEGにとっても大きなチャレンジでした。」とWhite Martins社の購買部長Luiz Nobre氏は説明します。

White Martins社に対するメリットの一つとしては、輸入製品と比べて購入コストが低いことと、供給者が近くに所在することで、迅速なソリューションの計画とアフターサービスの実施を確保できることです。

CSN規模の製鉄所においては、例えば、酸素等のエレメントは生産プロセスにおいて不可欠要素であり、供給が中断された場合、生産が停止する可能性があるため、ガスの供給はリアルタイムで行う必要があります。そのため、White MartinsはCSNの設備に付属したガス分離プラントを維持しているのです。同社は顧客への供給が中断されることが無いように信頼性の高い機器に投資しています。

ボックス

産業で使用するための大気ガス分離は下記の方法で行われます

産業プラントにおいて行う大気ガスの分離プロセスは家庭用冷蔵庫の原理と同じです。コンプレッサーが低温液体(White Martinsの場合は大気)を圧縮します。この圧縮によって発生した熱は熱交換器によって発散されます。冷凍庫(Cold box)では、この圧縮空気が膨張して圧力が下がり、熱を奪い、温度がマイナス100oC以下にまで低下します。温度の低下は数回にわたる加圧・減圧ステップによって得られ、大気に含まれるガスの一部を液体化して酸素、窒素及びアルゴンを分離します。

製鉄所において、酸素の吹込みは鋼生産における鋳鉄の酸化と高炉における熱風炉の加熱に使用されます。アルゴンは鋼の均質化と鋼インゴットの成形に使用され、窒素は圧延等に使用されます。

酸素のほか、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム又はオゾンは燃料の燃焼、チタン等の金属精錬、白熱球の充填、薬品の製造等、幅広い用途で使用することができます。また、ブラジル化学産業協会(Abiquim)のデータで2005年度には年間20億ドルを超えると予想された市場を動かしています。

機器の仕様

Ÿ MGP 12806(MGP 800)モデル、14トン、8500 HP、13.2 kW、2極のかご型インダクションモーター。