家庭でパスタの生地を作られた方、または父や祖父がこの作業を行っているのをご覧になった方は、よくご存知でしょう。生地は2個のロールを通って、繊細に薄くなり、希望する厚さに仕上がります。多くの人達は、自動車、食器および数多くの日常品の中に存在する鋼板が、最終製品に使用される前にこれと同じような過程を通っているとは想像できません。製鉄所の場合、このプロセスは圧延と呼ばれています。

鋼鉄のインゴット、ブロックまたは半製品は圧延を経て基材と化し、様々な分野の工場へ送られます。高温、機械的衝撃、水との常時接触等、過酷な条件に曝されている同設備は、予定外の停止と損害を防止するために高い技術と堅固性を持つ部品を要します。Gerdau グループに属し、RS州Sapucaia do Sul市に所在するGerdau Riograndense製鉄所は予定外停止数の低減を図る目的で、このような部品を自社の板状圧延機に設置することを検討しておりました。ここでWEGが登場します。

使用されていた電動機の大半は年月が経ち、生産が既に廃止された型式で、軸端のシールが劣化していたため、水の浸入防止機能が不十分で、ベアリングが損傷を受けやすい状況でした。このため、頻繁に焼付けが発生していました。Riograndense社のように月間1.2万トンの圧延鋼を生産する製鉄所にとって、2時間に亘る生産ラインの予定外停止は、圧延鋼120トンの生産ロスとなります。「鋼鉄バー1本が無駄になるリスクも発生します。」とGerdau Riograndenseの電気保全補佐役Valerio Boero氏は語ります。この場合、約1.5トンの鋼鉄が即時に廃棄物と化します。

この問題を解決するためには、古い電動機を、最新技術が駆使され、高い信頼性によって生産ラインの効率アップとメンテナンス・コストの低減を確保し、供給可能な電動機と交換する必要がありました。WEGの技術者は製鉄所より電動機1基を譲り受け、Gerdau社のニーズに対応する技術仕様を検討し、この課題に対する特定の研究を実施しました。その結果として得られた解決手段は、圧延機の特定箇所にWEGのRoller Tableシリーズ電動機(1.5KGM)11基を設置することでした。

製鉄所向けのRoller Tableシリーズは、腐食性物質、水、蒸気、ダスト、高温、高バッチ数、頻繁な逆回転操作等、圧延機およびロール・テーブルにおいて電動機が曝される過酷な使用に対応するために、特殊仕様で開発されました。同シリーズは、ラジアル型フィン(冷却も補助する)等、電動機本体の外部に残留物の蓄積を防止するソリューション、IPW66クラスの保護と水の浸入を防止するW3Sealシール、本体とカバー間の配線用シールが施されています。耐酸化性を向上させるため、ステンレス製の軸、ボルトおよび表示プレートが使用され、内部塗装には耐食性塗料が使われています。

WEG社の技術アナリストSergio Akio Hiyodo氏は、「圧延ラインの電動機は特殊仕様(設備専用のフランジ、電気設計、その他要素)で、今まで使用されていた機器は古いために交換が困難となり、製鉄所は永久的に修理を行うことを余儀なくされていました。WEG社は、この空白に対して高い信頼性と供給が容易な製品でもってソリューションを提供しました。」と説明します。

電動機の故障に起因する頻繁な圧延停止の問題は、2008年7月および10月に納入された電動機によって解決され、NBR 7094規格で要求される性能を上回り、電力の省エネにもつながりました。また、WISE式絶縁システムを使用することで巻線の絶縁抵抗を高め、電圧ピークによる損傷を受けることなく周波数インバータで電動機を作動させることができます。「うまく行きました。ラインは私共の予定通りに稼動しています。」とBoero氏は強調します。

圧延機とは
家庭用のパスタ加工機を創造してみてください。製鉄所のロールと同じ位置に設置された金属ロール間の隙間を通過し、反対側にパスタなって出てくる生地を鉄鋼板に例えることができます。圧延機は、ケージと呼ばれる多くのパーツで構成されています。補助ロールに結合された2個の作業ロールは、段階的に板の厚みを薄くし、希望する厚みに仕上げます。

情報源: www.revistapesquisa.fapesp.br